活動10年目を迎えて ②

 て・あーての推進協会の活動10周年を迎え、活動に関わっていただいている皆様からの声をお伝えします。
 2回目の今回は、生活支援コーディネーター(前生活支援相談員主任)の本田栄子様からのご寄稿をご紹介いたします。

 本田様とは、高齢者や独居世帯を戸別訪問し健康相談支援を行った「こころと体のケア事業」を通して一緒に活動してきました。
*「こころと体のケア事業」については2021年6月のブログをご参照ください

「こころの復興」を目指して

…宮城県東松島市社会福祉協議会 地域福祉課
生活支援コーディネーター 本田栄子様から…

平成23年3月11日金曜日、午後2時46分に東日本大震災が発生いたしました。

私たちにとって人生が大きく変わる出来事でした。ご家族を亡くされた方、家や財産を無くされた方など、被災者の皆さんはただただ茫然と立ち尽くすしかない状況でした。

東松島市被災者サポートセンターも震災から10年目を迎え、今まで行ってきた被災者支援活動を振り返ることが多くなりました。

「こころと体のケア事業」は看護の専門職による、被災者の心身の健康状態の把握や、健康相談等を中心に2014年1月から始まりました。その活動は被災者はもちろんのこと、被災者をサポートする私たち生活支援相談員にとっても大変重要な活動となりました。

生活支援相談員が日々見守り訪問する中で、気づけなかった心身の状態を、専門職の視点での観察や声がけを行っていただき、緊急に医療機関に結びついたケースもありました。

年度末に行われる事業報告会では、市役所の保健師や地域包括支援センター職員を交え、被災者の仮設住宅入居時の心身の状況や、災害公営住宅への移行期の心身の変化、高齢化や社会参加の減少等によるフレイルや認知症の出現など、経年的に変化する被災者の状況報告がなされました。
私たちは長期にわたり被災者に関わることにより、時にはその方の人生に関わる職種であることに気づかされる時もありました。

今後、サポートセンターによる見守り活動は、地域住民の見守りへと移行していきます。残された時間で地域とのつながりをより一層進め、「被災者が人と人のつながりをつくり、生きがいを持って、生活できる状態になる」『こころの復興』を目指し活動してまいります。

日本て・あーて推進協会の7年2カ月間にわたる東松島市への支援、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

当会理事と一緒に「こころと体のケア事業」を
行ってきた生活支援相談員の皆さん 。
手前左から 尾形京子様(主任)、斎藤和香様
後方左から 相澤七奈様、本田洋子様、千葉清美様

2021年8月5日