東京て・あーて塾開催しました

10月1~2日、千住介護福祉専門学校において、東京て・あーて塾を開催いたしました(共催:健和会臨床看護学研究所)。
遠くは愛媛・和歌山・滋賀・静岡から、さらに神奈川、栃木からと26名の方が参加してくださいました。看護師経験は4年から50年と幅広く、また、病院や訪問看護ステーション、療育センターやデイサービス、教育の場と勤務場所も多彩でした。

今回のプログラムには、「初めて」が二つありました。
川嶋代表の講義がないこと(山陰地方での「て・あーて」の講演のため)、て・あーて塾の修了生による『「て・あーて」の実践報告』を組み入れたことです。

1日目前半は、『て・あーての思想(小野寺綾子氏:当協会理事)』。
50年余りの看護師経験の中での実践が報告されましたが、専門職としての気概に満ちたものでした。そのため、臨床で悩む参加者との意見交換は、より現実感のあるものになったようでした。

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後半は、『認知症高齢者の言葉を聴く(水野陽子氏:当協会理事)』。
”語ってくれない”認知症高齢者の心の奥には、いろんな思いがある、その思いに気づくことが大事であり、発しているメッセージを全身で聴くこと(その人への関心、良く知ろうとすること)が重要だと学びました。
ケアする側の対応は、認知症高齢者の人生を左右します。

★講義の中から問題です。photo2

・リビングで音楽が流れているところで、一人だけ座って目を閉じている高齢者がいます。あなたがとる行動は?

①眠そう⇒退屈そう⇒何かしなければ⇒風船バレーでもする?⇒ 

②眠そうだけど、指がかすかに動く⇒リズムをとってるみたい⇒音楽を聴いてる?⇒至福の時かも⇒ 

2日目前半は、『触れる・癒す・あいだをつなぐ手 タッピングタッチ(八木美智子 当協会理事)』。
タッピングタッチは日本生まれの技術です。
副交感神経が活発になるとされ、心身に効果があります(リフレッシュ、疲労・痛みの軽減、ストレスの軽減、リラックス、肯定的感情の増加、否定的感情の軽減、プラス思考、幼いころのこと等を思い出し穏やかになる、などなど)。

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ポイントは「こころをこめて、ゆっくり、やさしく、ていねいに」です。

photo4「指はベタ~っではなく、とんとんですよ~」

日頃、せわしなく活動するパターンの看護師には苦手なことです。
・・・が、終了時には、講師に褒められるほどになりました!

後半は、『臨床で、て・あーてを実践する(重見美代子氏:美須賀病院看護部長)』。

2年前に東京で「て・あーて塾」を受講し、それ以来、ご自分の勤務する病院に「て・あーて」の実践を着実に根付かせてこられた管理者です。
昨年は、地域から看護を変えようと、「愛媛て・あーて塾」の開催にもご尽力下さいました。

以下は、今現在の美須賀病院のレポートです。

★医師から次のようなオーダーが出るそうです。『ターミナルの患者さん、医師にはもうやることがないから、後は、「て・あーて」でお願いします』。photo6

★看護師の言葉・姿勢が変わりました。以前は、患者の苦情が多かったけど、「身体に触れながら、よく話を聴いてあげたら楽そうになるよね」と。ナースステーションには誰もいません。看護師は、患者さんのベッドサイドにいますから。

★リハ医の言葉 ノーリフティングで「減ったもの・増えたもの」
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「て・あーて」の実践報告、次は「あなた」です。

少しずつでも、「て・あーて」の芽が出ますようにと願っています。(事務局:宮城・中山)

2016年10月14日