「本音で語ろう高血圧~高血圧のうそホント~」東松島市で講演会を開催しました

 恒例となった講演会を東松島市矢本東市民センターで開催しました。
 どのくらい地域の方が集まって下さるか心配しながら準備しましたが、開会1時間前から参加者の方々が来場し始め、開会時刻には準備した席がほぼ満席になりました。

 川嶋代表理事の開会挨拶に続いて、来賓の東松島市長からもご挨拶をいただき、東日本大震災後に日本て・あーて推進協会が初めて東松島市を訪れてボランティアを申し出た時のエピソードとともに、当会への感謝と期待が伝えられました。

 講師は健和会柳原病院(足立区)の在宅診療部部長の川人 明氏。東京下町で30年以上往診専門診療所の所長を務め、現在も地域の人々と診療を通して人間的な関わり合いを継続し、書籍も多数著している医師です。

高血圧の基本を楽しく、わかりやすく!

 講演では、まず高血圧のしくみや、血圧に影響する食事や運動、情動の変化など血圧に関する一般的な知識について解説されました。
 難しい血液循環のしくみは、“血管”を“水撒きのホース”に、“血液の流れ”は“水”にたとえてわかりやすく話され、参加者からも良くわかった、参考になった、などの感想が聞かれました。

 血圧を下げるための方策としては、血圧が生活場面の中で大きく変動することから、一時的な高血圧には心と身体の安静が大事であること、慢性的な高血圧は生活習慣の改善と薬の使用でコントロールすること。
 具体的には、食塩制限、減量、節酒、食事改善などで、生活改善でどのくらい血圧が下がるのかを研究したデータなども示されました。
 内服薬については、飲み始めた薬をやめることができるのか、薬を飲み忘れた時の対応など、日常生活の中で悩みそうなテーマについても、飲み方や飲み忘れに気づいたタイミング別に対応の目安が提示されました。

「血圧が高い人がジェットコースターに乗ったらどうなるのか」というテーマでは、娘さんに撮影してもらったというジェットコースター乗り場にある注意書きの掲示を示しながらデータを紹介。
 平均血圧がやや高めの20歳男性のジェットコースター乗車時の血圧値は、なんとBp 220mmHgオーバー!
 興奮が急激な血圧上昇につながること、風呂、サウナ、忘年会での大騒ぎなど、日常の中で起こりそうなヒートショックについて注意喚起されました。

今まで聞けなかったことがわかった!

 後半のQ&Aのコーナーでは、講師も壇上からフロアーに降り、近い距離で質問を受けました。
 会場からは次々に手が挙がりました。
「血圧の薬で認知症になると聞いたが、本当?」
「なぜ冬は血圧が上がるの?」
「下(拡張期血圧)が高いが、何に気をつけたら良いの?」
「上と下の血圧の差はどのくらいだったら良いのか?」
「血圧が低いのだけれど、注意することは?」
「家と診察室では血圧に差があるのはなぜ?」
…などなど、寄せられたたくさんの質問に、時間いっぱいまで1つひとつ丁寧に応えていただきました。

 参加した方からは、「自分の病状などについて理解でき納得した」「普段知りたかったこと・病院で聞けなかったことがわかってよかった」などの感想がたくさん寄せられました。
 医療や福祉に従事されている専門家からも、「参考になった」「エビデンスがわかり住民への説明に役立てられる」とのコメントもあり、皆さんに満足いただける講演会になりました。

 東松島市は高血圧の方が多いという統計もあります。
 これから寒さも本番、この講演会で得た知識と情報が、少しでも皆さまの日常生活に活かされますように!

(東郷 記)

2020年1月24日