「骨粗しょう症の予防と治療」「健康太極拳」の講演会を行いました

 12月2日に、東松島市矢本東市民センターで講演会を行いました。

 当日は、希望者先着30名の方に「超音波式骨健康度測定」を行う予定でしたが、業者の手違いから測定器具が届いていないことが判明。測定を楽しみに来場された方も多数あり、お詫びをしながら受付をするという、いきなりのハプニングでスタートとなりました。
(なお希望者には、別途、骨健康度測定を実施させていただくことにいたしました)

 早々に来場された方たちの待ち時間が無駄にならないよう、急遽、当協会理事らにより「いつでも誰でもできる、便秘解消のための指圧ポイントの実演・指導」「笑いヨガの効用と実演」を行いました。

骨粗しょう症の予防と治療

 【第1部】は、健和会柳原リハビリテーション病院院長の野水眞氏から『骨そしょう症の予防と治療』についてです。
 骨粗しょう症のメカニズム、予防と治療などを『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』を基に、わかりやすくお話いただきました。

・骨粗しょう症は骨折と相関関係があり、生存率にも関係している。80歳代の腰椎の骨粗しょう症では、女性が圧倒している。診断治療にはX線診断を行い、超音波診断では骨密度の傾向を知ることができる。
・骨量が増える18~20歳までに蓄えることが予防する上で重要であるが、現在80歳前後の方は、戦後の食糧事情に影響され骨密度が低い傾向にある。運動は歩くことを30分程度、特に太極拳はバランス向上や転倒予防に良いと言われている。
・薬には、注射薬など効果的なものも数多くあるが2年間しか使えない薬剤もあるので、医師と良く相談することが大切である。
 などなど…

 野水氏と事前に打ち合わせて配布した骨粗鬆症財団等の4種類のパンフレットも、帰宅後にも読んで復習できる内容で、好評でした。

健康太極拳の紹介と体験

 休憩をはさんだ後の【第2部】は、日本健康太極拳協会理事の高桑卓也氏による『太極拳の紹介と実際』です。

 まず健康太極拳を紹介。太極拳の歴史は中国で300年以上あり、その流派は数え切れないほどある、日本では約60年の歴史があり、日本人に合うよう気功の呼吸法と太極拳を合わせたものになったとのこと。
 その中でも健康太極拳は、高齢であっても、病気を持っていても、その人一人ひとりの体の状態に合わせて行うことを大事にしているとのことでした。

 紹介の後は、講師の動きと説明に合わせの実演。来賓として参加されていた東松島市社会福祉協議会会長の海道義氏も含め、全員で健康太極拳を体験しました。

 体験したのは「呼吸を整える」と「八段錦」。
 自分のペースで無理の無いように行いましょう、との講師の言葉で体験がスタートしました。鼻からゆっくり息を吐き(吸う息より長く)鼻から息を吸う呼吸を十分にした後、講師の実技に合わせて動作を行います。
  なぜ太極拳がバランスや転倒の予防につながるのかという【第1部】の野水氏の講義内容から、股関節や足の裏の筋肉が弱るとバランスが悪く転倒に繋がるが、太極拳ではそこが鍛えられる…と実演を交えて解説されました。

 最後に、52歳でパーキンソン病を発症した後も健康太極拳を継続している方のDVDを視聴しました。一歩も足が出なかった方が、音楽に合わせ自分の思うように体を動かしている様子は、感動的でした。

 参加された方の感想からも「野水先生の話はわかりやすかった」「楽しく講演を聴き、気持ちよく体を動かせた」「“健康で生きる”を目標にしたい」「パーキンソンの人に太極拳が良いと、話が聞けてよかった」など、皆さんが講演を前向きに捉えられている様子が伺え、有意義な会となりました。

 会場内には、本会活動の一つである“やすらぎコーナー”の参加者が製作した、ちぎり絵カレンダーが紹介・展示され、会場の一角を華やかに彩りました。
 毎月作成している作品をあらためて一覧で展示することで、初期に比べて後半の作品の方が立体感や構図などにより工夫が凝らされている様子を感じることもできました。

(記 大野・東郷)


2019年1月25日