東松島の皆様に感謝を込めて「なでしこ茶論~ピンピンきらり! 秘訣の語り合い~」を開催しました
7月6日、5年ぶりの‟なでしこ茶論”を、東松島のあおい西集会所で開催しました。
なでしこ茶論は、東日本大震災後、仮設住宅で生活する方々がひと時でも心おきなく話ができる場を作りたい、健康管理の支援ができるような体制を作りたい、地域社会の絆を蘇らせたい、などの願いから、当協会が2013年から東松島で開催してきた地域社会の集まりの場です。
コロナ禍により2020年3月から活動を自粛し、そのまま終了せざるを得なかった活動のひと区切りとして、約5年ぶりに‟なでしこ茶論”を開催しました。

ともに歩んだ14年を振り返る
会のはじめに、社会福祉協議会副事務局長の千葉貴弘氏と、あおい地区総合自治会長の小野竹一氏からご挨拶をいただきました。
千葉氏からは、 震災直後、川嶋代表からの「看護の視点で応援します」との言葉を心強く思ったこと、2014年から5年半の訪問活動では“て・あーてさん”とともに歩んだことをお話しいただきました。
小野会長からは、仮設住宅での活動から14年を振り返り、この活動が終わることへの寂しさも語られました。
お二方のお話からは、これからも住民とともに良いまちづくりに取り組んでいきたい、との強い思いが感じられました。

川嶋代表の「暮らしの中のて・あーて」と題した講演では、震災直後からの活動や、2019年3月に、この会場で‟みんなでつくるまちのイメージ”を伝えたことなどを振り返りました。
「あおい地域は、国に提言できるまちづくりのモデルです」との言葉には、大きな拍手が起こりました。さらに、これからのまちづくりのためのヒントとして、ぴんぴんキラリと美しく健康に、自分らしく生きるコツの10ヶ条を提案。生活習慣をコントロールすること、自分で自分の主治医になることなど、一人ひとりが実践できるコツが伝えられました。
これまでを振り返るスライドショー「東松島の皆さまとの思い出」では、小野氏の挨拶の中でも話題となった川嶋代表の真っ赤な勝負服も登場。いっぱいの笑顔、拍手で講演は終了しました。

それぞれの思いを語り合う──このまちに住み続けたい
最後に、4つのテーブルに分かれて、自由に語り合う場を設けました。その一部をご紹介します。
・80代の姉妹と90代男性は震災前からのお知り合い、道端で会えば声をかけ合う関係です。男性は妻を看取り、今は独居。元々船乗りで、炊事(特に魚料理!)も得意。まさに「ピンピンきらりと生きるコツ10ヶ条」を実践されているような生活について、楽しそうに話されていました。
・「まちづくりの話し合いは毎日のように行われて大変でしたが、自分たちのためであり、何より小野会長の力も大きかったと思います。町名を決める時も、話し合いでひらがなの“あおい”と希望していることを強調して市に申請、許可が下りました」と当時を振り返る方も。「今は一人になってしまいましたが、ここで最後まで住みたいと思っています」
・あおい西地区みまもり隊は、現在も週に2~3回ほど、当番を決めて地域を回っているそうです。リーダーを務めている方は、当時アパートを借りて生活を始めたので支援物資は来ず、‟部外者”のような気持ちになってしまい、イベントにも全く参加できなかったそうです。復興住宅に入居でき、やっと仲間入りができたと話されました。
・「津波が迫ってきたとき、逃げようと呼びかけて回ったのに、逃げずにいた人たちがそのまま波に飲み込まれてしまいました。高齢者しかいない時間帯で、家は大丈夫だからここに居る、と言われたことが忘れられない」など、届かなかった思いを振り返りました。それでも「ここが好きだから離れない」と、笑顔で話してくださいました。
2013年7月に運動公園仮設住宅で始まった“なでしこ茶論”。よく参加してくださった方々とも再会し、あの頃から変わらない笑顔にほっとしました。
5年ぶりの開催にも関わらずあたたかく迎えていただけたことは、多少なりともこれまでの活動がお役に立てた証かな、と思っています。
最後はみんなで記念撮影。「また、ここに来たいな」との思いを強くしての帰路となりました。

(記:中山・水野・東郷)
2025年8月11日
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