て・あーて塾(初のWeb開催)で全国の皆さんと一緒に学びました!

 12月4日、“て・あーて塾”を開催(健和会看護部と共催)いたしました。感染状況の先行きが判断できない中、て・あーて塾としては初めてのWeb開催でした。
 全国から58名の方にご参加いただき、共に学びました。
 講師は川嶋みどり代表理事と、八木美智子理事でした。

看護師の手の価値を見直す

 川嶋代表の講演「て・あーての思想~自然の回復過程を調える手の価値~」では、 コロナ禍の今だからこそ、看護実践の真価を発揮する時と、力強く語られました。

「看護職も不足している現状に、細分化した医学による医師不足の補充に看護職が使われ、さらに看護職が看護に専念できない状況になっている。医療の中の看護ではなく、看護は“看護らしく”、看護のための看護として専念できるように。看護の原点、本質は変わるものではない。
 命と暮らし、尊厳を守る“全人的ケア”、生活行動への援助は、看護の座標軸である。自然治癒力を高めること⇔生活行動力を高めること、それは病気をしない身体をつくる、内面を整えることである」

……具体的な行動はすべて手を用い、看護師の手は万能であると、身体に触れる・心に触れることの意味を、東日本大震災での経験や、コロナ禍で受け身の対応ではいけないとワンセットケアを普及した成果などから話されました。

自分自身を癒す

 八木理事の講演「コロナ禍のストレスを緩和するセルフタッピング」では、タッピングタッチとは何かの概略 ──いつでも、誰でも、どこでもできる技術であり、軽いタッチ、ふれあいで心身のストレス軽減できるものであると紹介されました。
 演習では、まず「腕だけ散歩」を実施。その場で上半身と腕をゆったりと動かして散歩をしている気分を味わいます。実施後は体がポカポカして、リラックス。3分間という時間の流れがゆっくりと感じられました。

 セルフタッピングでは、BGMを聞きつつ八木理事のデモをみながら20分程実施。“ゆっくり、やさしく、ていねいに”が基本なのですが、職業柄“せかせか”してしまうことを自覚した時間でもありました。
 また、“自分と一緒にいる・ケアする・自分自身を大切にする”と、自分を癒すことも必要と実感できた演習でした。

講師と参加者の語り合いから

 講演後の語り合いは、星野理事の司会で行われました。
 講演の感想や学びのほか、脈拍を触診で行わない看護学生に理由を確認したところ臨床看護師が行っていないからと言われた例や、特定看護師(特定行為に係る看護師)をとったが看護の背景を考えながら訪問看護をしているとの報告、嚥下困難患者のチームカンファレンスに看護師が参加しておらずショックを受けた体験などの発言があり、それぞれに対して2人の講師が激励やコメントを伝えました。

 参加者からは、看護の力・看護の本質、触れるケア・手を用いたケアの大切さについて印象に残ったとの記載が多数ありました。
 セルフタッピングでは、新鮮・癒された、自分自身を大切にすることの意味、3分間という短時間のケアでも効果を実感した、といったことが挙げられていました。
 明日からの実践で「触れるケア」や「自分自身のケア」を行いたいなどの感想もいただき、パワーをもらった研修会となりました。

<東郷 記>

2021年12月18日