活動10年目を迎えて ③

 て・あーての推進協会の活動10周年を迎え、活動に関わっていただいている皆様からの声をお伝えします。
 3回目の今回は、 東松島市保健福祉部高齢障害支援課の齋藤真理様からのご寄稿をご紹介いたします。

 齋藤様とは、地域での健康増進活動や企画を行う際に、地元理事と密に連絡を取り合いながら活動してきました。

「て・あーて東松島の家」の支援に感謝

…東松島市役所健康推進課保健師 齋藤真理様から…

東松島市は東日本大震災で最大震度6強、最大津波高10.35mが観測され、市街地の65%が浸水、死者千人を超える甚大な被害を受けました。
震災後は慢性疾患の悪化や生活習慣病の進行、認知症状の進行、うつ状態の継続及び悪化等がみられました。
また、避難所~仮設住宅~災害公営住宅の入居や集団移転等、短い年月で喪失と環境変化を繰り返し、被災者の健康支援と地域コミュニティの再編が課題でした。

2014年から今日まで、日本て・あーて推進協会の皆さまには様々な事業協力、ご支援をいただいております。

ご支援をいただく中で、私が特に印象に残っているのは、2019年の「視覚・聴覚語らいサロンin東松島」での笑いヨガの講演です。
手話通訳者・要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員や地域包括支援センター職員、保健師ら皆で協力しながら参加者に握手やタッチ・声で伝えた笑いヨガ。
握手笑い、静電気笑い、一万円笑い…講師先生の声がけにどんどん引き込まれ、体も心もぽかぽかしてきました。
皆さんと触れて笑いあい、最後は「いいぞ! いいぞ! イェーイ」と万歳のポーズ。参加者全員の心が通い合った、とても素晴らしい時間でした。
て・あーて(手を用いたケア)の基本“そばにいる”“聴く”‘‘触れる”関わりに触れたことで、学生の頃に学び実践した看護ケアを思い出しました。

また、て・あーての皆様には「こころと体のケア事業(仮設住宅住民への訪問健康相談)」や仮設住宅集会所での健康相談、地区健康教室、講演会、個別訪問など被災者の健康支援・介護予防のほか、「て・あーて東松島の家」を会場に地区活動や生きがいづくり、高齢者の見守り活動、さらに看護職への研修など、多岐にわたりご尽力いただきました。
お陰様で現在、自治会や地区組織等でサロンやお茶会、健康講座など自主的な活動の企画・開催ができるところも増え、高齢者の見守り活動を開始した自治会もあります。また、保健・医療・介護連携支援体制も少しずつ整ってきています。
これもひとえに、て・あーての皆様の温かいご支援の賜物と厚く御礼申し上げます。7年間沢山のご支援をいただき、本当にありがとうございました。

「視覚・聴覚語らいサロンin東松島」
(2019年開催)

東松島市高齢障害支援課からの講師依頼を受けて当会より講師を派遣。視聴覚障害の方を対象とした笑いヨガは初めての実施でした。

2021年8月5日