血流をよくする爪切り

2photo1年前の夏から、Y仮設住宅集会所で「なでしこ茶論」を定期的に行うようになりました。

ある日のお茶っこの会話、
「足の爪が切れなくて・・・」「あんたもそうなの?」
「私は、デイサービスで切ってもらってるよ」
「私は切れないから伸ばしたままなの・・・」
そんな声を聴き、日本フットケア協会師範の室谷良子氏が「血の道療法」で手の技を活用し血流をよくする「爪切り」を提唱していることを思い出しました。

その手の技を活かし、爪切りに困っている住民のみなさまのお力になればと、
なでしこ茶論では「爪切り」を継続して行っています。

爪切りで「嬉しい」笑顔
爪切りは、て・あーて推進協会のメンバー3~4人で、手と足の爪切りをご希望に沿って行います。

まずは椅子に座っていただき、両足を台の上に乗せ、膝の上まで着ている物を上げてもらいます。

足全体の汚れを取り、オイルマッサージを行います。
皮膚の状態、ふくらはぎの筋肉の様子、爪の伸び具合など観察します。

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オイルマッサージの後、さらに足の指1本1本の血行を促進するマッサージ。
さらに、プッシャーでいらなくなった角質を取り除き、アルコール綿できれいにふき取ります。

 

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爪を切りやすくするため、足を温めます。
冷たかった足が温かくなり、足の先から足全体がピンク色に変化しています。

 

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爪を切った後、
やすりをかけて爪を整えます。

 

 

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手の爪切りを終えてマッサージをしながら
楽しいおしゃべり。
住民のみなさんと身近に触れ合う一時です。

 

爪切りを終えた高齢の女性、
「ああ~気持ちよっかちゃー、足美人になったちゃー」
(”美人”な足を見ていただけず、ごめんなさい)
「足がこんなに動くちゃー嬉しいねー」と笑顔で話してくれました。
その言葉と笑顔に触れ、私たちも胸がいっぱいになるくらい嬉しくなりました。

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爪切りの順番を待っている時も、
お茶っこしながら会話が弾みます。

 

 


みなさまの声を励みに
住民の方からの一句、
いつの日か 我が行く道とは思いども  ひびきも悲し忘却の二文字

忘れるのも、忘れられてしまうのも悲しいものです。
住民のみなさんから、
「楽しみに待っていたのー」「みんなに会えるのが楽しみ」などと声をかけていただくことが、なでしこ茶論の活動の大きな励みになっています。
4年もの間、仮設住宅での生活に耐え、日々を過ごしているみなさまが楽しみに待っていて下さる限り、活動を継続して行きたいと思っています。

(山本富美子 記)

2015年9月30日