『実践! て・あーて ─美須賀病院看護事例集─』 が出版されました。

 愛媛県今治市にある医療法人朝陽会美須賀病院の看護部による書籍『て・あーてに学ぶ』『マグネットホスピタル』に続く『実践! て・あーて─美須賀病院看護事例集-」が出版されました。
 いずれの本も、看護部総師長の重見美代子さんを中心に、日頃の実践の様子が書かれたものです。美須賀病院は、地域に密着したサービスの提供を目指すなかで、2013年5月、看護部の学習会で川嶋代表の講演会を開催しました。そして、翌年2014年には重見さんが本会主催の「東京て・あーて塾」に参加されたのをきっかけに、塾での学びを現場にフィードバックし、看護師だけでなく、医師、セラピスト等々病院全体で「て・あーて」に取り組まれました。
 その結果、「“て・あーて”を行って…」と、医師から処方のように依頼され、退院した患者様からの要望で外来でも「て・あーて」が実践されるようになりました(詳細は、2015年出版 『て・あーてに学ぶ』をお読みください)。

手応えのあった実践を言語化してまとめておきたい

 美須賀病院のスタッフの皆さんは、どんなに忙しくても、てあーて(病院では、オイルマッサージを「てあーて」と称しています)、熱布バックケア、ノーリフティングケア等をさっとこなします。
 日々手を用いたケアを受けられている方々は、表情が豊かになり認知症症状が落ち着いたり、動けるようなったり、食べられるようになったりします。まさに自然治癒力を高めるケアそのものです。

 重見さんの言葉をご紹介します。
「科学的根拠は? と問われることが多くなりました。(中略)しかし、きちんとした科学的根拠を意識しないで、その場の患者さんの様子に沿ってケアを行って患者さんが良くなることはよくあります。そこで私はともかく手応えのあった実践を言語化してまとめておきたいと思いました。こうしてまとめておけば、後日根拠を明らかにする資料にもなるでしょう」。

「看護の力」の実践に触れる

「気持ちいい」「また行ってほしい」と思われるケアが良い効果をもたらすのは言うまでもありません。この本に紹介された多くの事例から、手から伝わる温かさ、気持ちよさの大切さを学びました。また、患者さんやご家族の療養生活での体験や思いが語られています。医療者が発する一言の重みや、関わり方での違いが胸にささりました。

創風社出版 1,320円(税込)

 わずかな時間でもできること、手を用いたケアでこんなに変わることがあります。これは川嶋代表が伝えている「看護の力」の実践そのものであり、美須賀病院の看護スタッフ皆さんがいきいきと看護されている様子が伝わってきます。『実践! て・あーて-美須賀病院看護事例集-』は、手を用いたケア、て・あーて(TE・ARTE)に関心を寄せる皆さまに、ぜひ読んでいただきたい1冊です。

<中山 記>

2022年3月24日